サッカー・アジアW杯予選

サッカーボール

2018年に開催されるサッカーW杯ロシア大会に日本は見事アジア予選を勝ち抜いて出場を決めましたが、これに関してよく聞かれるのが「日本がW杯に出場できるのはアジアサッカーのレベルが低いためで、仮に他の地域であれば予選を勝ち抜くことは不可能」という意見です。確かに2014年のブラジル大会では日本を含むアジア代表の全チームがグループリーグで敗退しており、この結果を見る限りではアジアのサッカーは弱いと言われても仕方がありません。では、もし日本が他の地域、例えば最も勝ち抜くのが大変だと言われているヨーロッパ地区の予選に参加していたらどうなったでしょうか。

2018年ロシア大会への出場を賭けたヨーロッパ予選では、全52チームが13の出場枠を争って熱戦を繰り広げました(開催国のロシアは予選免除)。これに対してアジア予選では、46の参加チームに対して出場枠は4.5(0.5は大陸間プレーオフを勝ち抜けば出場可)でした。この数字だけを見ると、アジア予選の方が激戦区のようにも思えます。ただ、問題は参加チームのレベルです。FIFAはA代表チームの実力を量る指標としてFIFAランキングを毎月発表していますが、ちょうど予選が行われている真っ只中であった2017年4月のランキングを見てみると、1位から30位までの過半数の17チームがヨーロッパ勢で占められています。これに対して、アジア予選に出場したチームの中で上位30位までに入っていたのはイランただ1チームのみでした。ちなみに、この時日本はアジア3番手の44位です。つまり、このランキングを単純に当てはめるとアジア予選のレベルは低く、仮に日本がヨーロッパ予選に出ていたら出場13チームの中に入るのは無理だったということになります。

もちろん、実際の勝負がいつもランキング通りの結果になるとは限りません。実際、今回のヨーロッパ予選では過去のW杯で4回優勝しているイタリア、準優勝3回のオランダといった強豪が予選で敗退しています。ただ、そうした強豪チームでさえ突破するのが難しいヨーロッパ予選であれば、日本が勝ち抜くのはますます困難であると言えるでしょう。